お役立ち

HTS for SP -3 09 OTHER FINACIAL INSTRUMENTS

1,PORTFOLIO

ポートフォリオ(Portfolio)とは、個人や機関が保有する全ての資産や投資商品の集合を意味します。投資家が複数の資産や投資商品を組み合わせて保有することで、リスクを分散し、利益を最大化することを目指す戦略的なアプローチです。分散投資

i Portfolio management and asset allocation

項目ポートフォリオ(Portfolio)アセットアロケーション(Asset Allocation)
定義投資家が保有する全ての資産や投資商品の集合投資家が保有する資産を異なる資産クラスに分散するプロセス
目的リスクを分散し、利益を最大化するためリスクとリターンのバランスを調整し、ポートフォリオを最適化するため
対象資産クラス株式、債券、不動産、現金など多様な資産クラスが含まれる株式、債券、不動産、現金などの資産クラスに投資を分配する
役割資産の保有を管理・統合する全体の概念資産を異なるリスクとリターンの特性に基づいて分散する手法
運用対象投資家の保有する全ての資産や投資商品投資家の資産を異なる資産クラスに分散することを意味するプロセス
選択基準投資家のリスク許容度、投資目標、投資期間などを考慮する投資家の投資目標やリスク許容度に合ったバランスを考慮する
リスク管理リスクを分散し、ポートフォリオ全体のリスクを最適化するリスクとリターンのバランスを調整し、リスクを管理する
リバランシング(再調整)定期的なリバランシングが必要であることがあるマーケットの変動に応じて定期的な調整が必要であることがある
投資家層個人投資家、機関投資家など幅広い対象個人投資家、機関投資家など幅広い対象
ポートフォリオは投資家が保有する全ての資産の集合を指し、アセットアロケーションはそれらの資産を異なる資産クラスに分散するプロセスを指します。アセットアロケーションはポートフォリオ構築の基本的なステップであり、適切なアセットアロケーションによってリスク管理とリターンの最適化が図られます。

ポートフォリオ:投資家が保有する全ての資産の集合

ex..私のポートフォリオには株式、債券、不動産が含まれています

アセットアロケーション:それらの資産を異なる資産クラスに分散するプロセス

ex…投資家はアセットアロケーションを適切に行うことでリスクを管理します.

「アロケーション」(割り当て)に「アセット」(資産)

ii Portfolio expected rate of return

ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオ内の各資産の収益率とそれらの資産のウェイト(割合)を用いて計算されます。期待収益率は、投資家が各資産に対して期待する収益率を表します。

ポートフォリオの期待収益率は以下のように計算されます:

期待収益率 = Σ(資産iの収益率 × 資産iのウェイト)

ここで、Σは総和を意味し、iはポートフォリオ内の各資産を示します。

例を挙げると、ポートフォリオにA社の株式とB社の株式が含まれているとし、それぞれの株式の期待収益率がそれぞれ5%と7%で、ポートフォリオ内でA社の株式のウェイトが60%、B社の株式のウェイトが40%とすると、ポートフォリオの期待収益率は次のように計算されます:

ポートフォリオの期待収益率 = (5% × 0.60) + (7% × 0.40) = 0.03 + 0.028 = 0.058 = 5.8%

iii Risk reduction effect and correlation coefficient

リスク低減効果(Diversification Effect)は、相関係数によって影響を受ける重要な概念です。リスク低減効果は、ポートフォリオに複数の異なる資産を組み合わせることで、リスク全体を減少させる効果を指します。

ポートフォリオに異なる資産を組み込むことで、各資産の個別のリスクが相互に相殺されることがあります。これは相関係数によって影響を受けます。具体的には、相関係数が-1に近いほどリスク低減効果が高くなります。

相関係数が-1に近い場合、2つの資産は逆方向に完全に相関しています。つまり、1つの資産のリターンが上がると、もう1つの資産のリターンは同じだけだけ減少します。このような逆相関を持つ資産を組み合わせることで、リスクが相殺されるため、ポートフォリオ全体のリスクが低減します。

一方、相関係数が1に近い場合、2つの資産は完全に正の相関を持ちます。つまり、2つの資産は同じ方向に動き、同じようにリターンが上昇または下落します。この場合、リスク低減効果は限定的で、ポートフォリオ全体のリスクが個別の資産とほぼ同じになります。

リスク低減効果は、相関係数によって説明される一つの要因であり、リスクを分散するために異なる相関性を持つ資産を組み合わせることが重要です。適切なアセットアロケーションによって、相関係数を考慮したポートフォリオの構築が行われます。

あずこた
あずこた


相関係数は、2つの変数の間にどれだけ強い関連性があるかを示す数値です。具体的には、相関係数が1に近いほど2つの変数は強い正の関連性を持ち、1つが増えるともう1つも増加します。相関係数が-1に近いほど、2つの変数は強い負の関連性を持ち、1つが増えるともう1つは減少します。相関係数が0に近い場合は、2つの変数間には相関がほとんどなく、1つの変数の変化はもう1つにほとんど影響を与えません。相関係数は、統計分析や投資など、さまざまな分野で変数間の関係を理解するために使われます。

2,DERIVATIVES TRADING

デリバティブ取引(Derivative Trading)とは、金融市場において、基礎となる資産(株式、債券、商品、通貨など)に連動して取引される金融商品のことを指します。デリバティブは、その名の通り、元となる資産の価値に依存して価格が変動する金融商品です。デリバティブは、「派生する(derive)」という意味の言葉に由来しています

★コールオプション(Call Option)は、特定の金融商品を将来のある時点に一定の価格で購入する権利を持つ契約です。株価上昇を予測する際やポートフォリオの保護を目的に取引されます。

★プットオプション(Put Option)は、特定の金融商品を将来のある時点に一定の価格で売却する権利を持つ契約です。株価下落を予測する際やリスクヘッジを目的に取引されます。

両方ともデリバティブであり、価格変動によって利益や損失が生じるため、リスクが高いと言えます。投資家はデリバティブ取引に参加する前によく理解し、慎重な取引が必要です。

※オプションは残存期間が長いほどオプション料が高くなる

i Futures trading

先物契約(Futures Contract):将来の特定の日に特定の資産を一定の価格で売買する契約です。先物取引は、将来の価格変動リスクをヘッジする目的で利用されることがあります。たとえば、農産物を生産する農家は、将来の収穫を確保するために将来の価格を確定しておくことができます。

ii Option trading

オプション契約(Option Contract):特定の日付までに特定の資産を特定の価格で購入または売却する権利を与える契約です。オプション契約を取引することで、投資家はリスクを制御し、利益を最大化することができます。たとえば、株式のオプションを購入することで、将来の株価上昇に対する権利を獲得できます。

おまけ

  1. 株式(Stocks):株式は企業の所有権を示す証券であり、企業の株式を購入したり売却したりすることによって、株主は企業の経営に参加し、株主資本利益の分配を受ける権利を持ちます。株式は株式市場で取引されます。
  2. 債券(Bonds):債券は企業や政府からの借り入れ証券であり、投資家は債券を購入することで発行者に資金を貸し付けます。債券の所有者は、利息を受け取り、債券の満期時に元本を返還される権利を持ちます。債券は債券市場で取引されます。
  3. 商品(Commodities):商品は自然資源や農産物、金属などの物理的な商品を指します。代表的な商品には金、原油、小麦、大豆などがあります。商品は商品市場で取引されます。
  4. 通貨(Currency):通貨は国や地域の法定通貨を指します。通貨ペアとして取引され、1つの通貨を他の通貨と交換する外国為替市場(Forex)で取引されます。
  5. デリバティブ(Derivatives):デリバティブは、先物契約、オプション契約、スワップ契約などを含む金融商品の総称です。デリバティブは元となる資産(株式、債券、商品、通貨など)に連動して取引され、その価格や価値は元となる資産の変動に応じて変動します。

おまけ2

デリバティブと外国為替(FX)

類似点:

  1. 金融派生商品:両方とも、元となる資産(株式、商品、通貨など)に連動して取引される金融派生商品です。つまり、価格や価値が元となる資産の変動に影響されます。
  2. レバレッジ取引:デリバティブ取引や一部のFX取引は、レバレッジを使用して小額の証拠金で大きなポジションを持つことができます。
  3. リスクの高さ:両方とも高いリスクを伴う取引です。価格変動や市場の予測が難しいことから、損失が拡大する可能性があります。

主な違い:

  1. 市場:デリバティブは先物契約やオプション契約などが含まれる総称であり、主に先物取引所やオーバーザカウンター市場(OTC市場)で取引されます。一方、FXは外国為替市場(Forex)で取引される通貨ペアに対する取引を指します。
  2. 取引対象:デリバティブは株式、商品、債券、通貨など様々な元となる資産に連動する取引を対象とします。一方、FXは主に異なる通貨間の価格変動に対する取引を対象とします。
  3. 取引の特性:デリバティブは元となる資産に連動しているため、元となる資産の価格変動に応じて取引価格が変化します。一方、FXは通貨ペア間の価格変動に対して取引価格が変化します。
  4. 規制:両方とも規制されていますが、デリバティブ取引は一部の商品や市場によって異なる規制が存在します。一方、FX市場は分散化しており、規制が異なる国や地域によって異なります。

デリバティブとFXは異なる市場や取引対象を持ちながらも、共通点として金融派生商品であることや高いリスクを持つことが挙げられます。投資家がこれらの取引を検討する際には、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて慎重な取引が必要です。